ピート ppm とは — SWRI Frances Jack が測る麦芽と瓶の差
はじめて Ardbeg 10 の箱の裏に印刷された「55 ppm」の数字を見たとき、私は頭の中で間違った計算をしました。parts per million とはつまり、瓶の中の液体 1 キロあたり 55 ミリグラムの「何か」が入っているという意味だろう、と。もしこの「何か」が薬っぽい香りの分子群だとしたら、それはかなりの量です。実際、私はある小さな、しかし重要な計測工学のルールの反対側に立っていました。箱の数字は嘘ではありません。ただ、私が思っていたものを測っている数字ではなかった、というだけの話です。
その「本当は何を測っているか」に名前を与えたのは、エディンバラの Scotch Whisky Research Institute (SWRI) のシニアサイエンティスト、Frances Jack 博士 です。今日紹介したいのはこの人です。彼女はキャリアの大半を、ピートとフェノールの分析化学、そして Black Isle の麦芽業者と Islay の蒸留家が「55 ppm 麦芽とは何を意味するか」を書面で合意できるようにするための、業界規格の整備に費やしてきました。極めてエンジニア的な問題で、Frances Jack はそれに対して極めてエンジニア的な仕事をしてきた人です。

麦芽業者が約束しているもの
ピーテッドモルトを作るとき、スコットランドの麦芽業者 (Inverness の Bairds、Portgordon の Crisp、Islay 島内の Port Ellen Maltings) はまず大麦を発芽させて green malt にし、キルンで乾燥させて発芽を止めます。キルン工程の最初の数時間、麦芽床の下でピートを燻します。ピートの煙が湿った麦芽の中を立ち上り、煙に含まれる芳香族フェノール化合物 — 燃焼で二酸化炭素と水にまで分解されずに生き残った分子 — が麦芽の外皮に凝縮します。これでピーテッドモルトが完成します。
そのあと、麦芽業者は「どれだけピーテッドか」を数値化します。これは契約の場面です。蒸留所は数ヶ月前に「Laphroaig ロット、40〜45 ppm」といった仕様で発注しています。麦芽業者は納品ロットが仕様通りであることを証明できなければならないし、蒸留家は受入時にそれを検証できなければならない。全員が同じ数字について話している必要があります。
彼らが合意した数字が、乾燥麦芽 1 kg あたりのミリグラムで表したフェノール総量です。質量比として読むとちょうど parts per million の単位になるので、業界はこれを「ppm」と書きます。単位は次元的には正しい。ただし、これはバルク化学の数値であって、主観的な風味評価ではありません。
つまり最初の曖昧さは「phenol」という言葉の中に埋め込まれています。有機化学では phenol は単一の分子: C₆H₅OH、ベンゼン環にヒドロキシル基が 1 つついたものを指します。ウイスキー業界の「phenol」は、ピート煙から抽出される芳香族ヒドロキシル化合物ファミリー全体のことです:
- Phenol そのもの (C₆H₅OH) — 医薬品、病院の廊下
- o-, m-, p-Cresol (メチルフェノール類) — タール、灰皿、石炭火
- Guaiacol (2-メトキシフェノール) — 木煙、甘いスパイス
- 4-Methylguaiacol — さらに煙たく、樹脂寄り
- Xylenol 類 (ジメチルフェノール) — 家畜小屋、農家
- Eugenol, syringol — クローブ、甘いチャー香
味覚上、これらは同じ香りではありません。guaiacol が 5 ppm あれば「温かい木煙」、cresol が 5 ppm あれば「クレオソートを塗った線路の枕木」と読める。合計フェノール ppm が同じでも、どの成分が支配的かが違えば、2 種類のまったく別のウイスキーの味になります。ここが、単一の数値スペックから情報が漏れ始める最初の場所です。
Frances Jack のラボ
Scotch Whisky Research Institute はエディンバラの Heriot-Watt 大学 Riccarton キャンパスにある、業界共同出資の研究機関です。理事会には Diageo、Pernod Ricard、Edrington、William Grant、Beam Suntory、そして加入している独立系蒸留所が名を連ねます。要するに、スコットランドでスティルを持っている会社は基本的に会費を払って共通研究資源にアクセスしている、という構造です。SWRI の仕事は、一つの蒸留所だけでは資金を出したがらない分析研究を回すこと — 原料キャラクタリゼーション、コンジェナー分析、樽化学、官能パネル検証、そして 測定法そのもの — 業界全体が麦芽業者と技術的に同じ語彙で話すために引用するプロトコルです。
Frances Jack は博士号を持ち、Flavour Management グループに在籍しています。彼女は 10 年以上にわたって SWRI におけるピートとフェノール化学の代表的な発信者でした。彼女の論文は Journal of the Institute of Brewing からピートの産地問題 (どのピート層から採ったか、なぜ Orkney、Islay、St Fergus のピートは HPLC で見分けられるフェノールプロファイルを持つか) を経て、最近では非破壊代替法としてのハイパースペクトルイメージングまで及びます。業界側の「ppm は実際に何を測っているのか」に関する声明を読めば、引用の道はほぼ必ず SWRI に、そして多くの場合 Frances Jack に行き着きます。
コア分析法 — あなたの Laphroaig の箱の 40 と Ardbeg の箱の 55 の背後にある方法 — は、UV または蛍光検出付きの逆相 HPLC です。手順は次のようになります:
- 代表的な麦芽サンプルを粉砕する。熱いメタノール - 水混合物で外皮からフェノール化合物を溶液中に抽出する
- 濾過後、C18 固定相カラム (18 炭素炭化水素鎖でコートされたシリカカラム、非極性) にサンプルを注入する
- 有機溶媒濃度を段階的に上げた移動相を流す。極性フェノールが先に溶出し、非極性の guaiacol と cresol は遅い保持時間で続く
- カラムから化合物が出てくるたびに、280 nm の UV 検出器が吸光度を記録する。ピーク面積を既知濃度の標準物質と比較して、その特定化合物の mg/kg を得る
- 個別定量値を合計する。その合計が麦芽証明書の「ppm」
これは標準的な分析化学で、食品業界のどのラボにでもある技術です。SWRI 版の価値は、一般技術より賢いことではありません。価値は 共有されている ことにあります。加入している蒸留所はすべて同じ参照標準に対して校正し、同じ対象化合物を定量し、同じ基準で報告します。Ardbeg が 55 ppm 麦芽を注文し、Laphroaig が 40 ppm 麦芽を注文するとき、両方の蒸留所は同じルールブックに照らして測られた数字を売られている、ということです。ルールブックがなければ、「55 ppm」は個々の麦芽業者の社内メソッドが言うところの意味にしかならず、蒸留所間の比較はどうやっても成り立ちません。
これが、特定分子よりもむしろ、SWRI メソッドが実際に届けているものです: 麦芽業者と蒸留家の間の共通言語、業界共通購読料でその値段が付いている、というわけです。
Retention chain
さて、数字は麦芽袋に書かれた。麦芽は蒸留所に運ばれる。ここから先で、ラベルとグラスの中身の乖離が始まります。
マッシング。麦芽は粉砕され、マッシュタンで温水と混ぜられます。フェノール化合物は水にそこそこ溶けます。大部分は麦汁 (wort) に移りますが、一部は使用済み麦芽 (draff、牛の飼料として売られる) に結合したままで工程から抜けていきます。マッシング後の残存: おおよそ 80〜90 %。
発酵。麦汁は washback で蒸留用酵母を投入され、48〜90 時間発酵します。酵母は小さなフェノール類には特に攻撃的ではありませんが、一部は代謝されるか酵母バイオマスに取り込まれます。発酵後の残存: おおよそ 80〜90 %。
蒸留。ここが最大の損失ポイントです。ポットスティルで wash を加熱すると、蒸気がネックを上がっていきます。フェノールごとに沸点は違います — guaiacol は 205 °C、phenol は 182 °C、p-cresol は 202 °C — 蒸気相への分配は完全ではありません。重いフェノール (syringol、一部の xylenol) はポット底の pot ale と spent lees に残る傾向があります。軽いもの (guaiacol、phenol、methylguaiacol) はより容易に留出液に上がってきます。物理的な分留に加えて、スティルの銅表面は一部のフェノール基を優先的に結合します — 銅こそが、スコッチが stainless カラムスティルの蒸留液よりもクリーンな味になる理由の一つです。蒸留後の残存: おおよそ 30〜60 %、そしてこれは スティル形状 で大きく変動します (高いスティル + 高リフラックスは重いフェノールを多く失う、寸胴なスティルは多く残す、worm tub 凝縮器は shell-and-tube より多く残す)。
3 段階を掛け合わせると、麦芽のフェノール質量のおおよそ 20〜40 % が new-make に到達します。
樽熟成。それからスピリッツは 3 年から 20 年、オークの中で過ごします。酸化はフェノール化合物の一部をゆっくり分解します (フェノール性ヒドロキシル基はスピリッツ内で酸化されやすい官能基の一つです)。焼いた、あるいは焦がした樽内面はフェノールを構造内に吸収します。angel’s share は年数パーセントの液体を、フェノールも含めて除去します。10 年間で、熟成中スピリッツのフェノール濃度は new-make 基準からおおよそ 30〜50 % 減ります。
チェーン全体を順に追っていくと、Ardbeg 10 — 55 ppm 麦芽仕様として生まれたもの — は瓶の中で 10〜15 ppm の実フェノール含有量に着地します。40 ppm 麦芽の Laphroaig 10 は 8〜12 ppm 近く、25 ppm 麦芽の Bowmore 12 は 5〜8 ppm 前後、35 ppm 麦芽で 16 年酸化を経た Lagavulin 16 はおそらく 6〜9 ppm。瓶の数字は麦芽の数字よりずっと小さく、その比率は蒸留所ごとに同じではありません。
ここで一つ断っておきたいのですが、この 4 段落で「おおよそ」「約」「前後」を私は書きたくなかったよりも多く書いています。それは、実際の残存率は固定表として公表されていないからです。発酵温度、スティル形状、cut point、樽履歴、倉庫湿度、そして出発麦芽の具体的なフェノール分布によって変動します。20〜40 % という麦芽→スピリッツの範囲は実データですが、ある特定の蒸留所の 数字は、その蒸留所の new-make と麦芽仕様を実際に湿式分析しないと決められません。自信を持って言えるのは、瓶の ppm は常に麦芽の ppm よりずっと低く、しばしば 3〜5 倍低い ということです。
Islay と日本の比較表
この分析が最も役に立つ場面は、公表されている麦芽側 ppm を並べて比べつつ、瓶側の数字が線形にスケールしないことを直視することです。以下は Islay の主要蒸留所と、日本のピーテッド銘柄の広く引用されている麦芽仕様、そして飲み手が実際に出会うフェノール量の粗い推定値です:
| 蒸留所 | 麦芽 ppm 仕様 | new-make 推定 (ppm) | 10-12 年瓶推定 (ppm) |
|---|---|---|---|
| Bunnahabhain (標準) | 1〜2 | <1 | 微量 |
| Bruichladdich (Classic Laddie) | 0 | 0 | 0 |
| 白州 12 | ~5 | ~2 | <3 |
| Bowmore (標準) | 25〜30 | 8〜12 | 5〜8 |
| Caol Ila (標準) | 30〜35 | 10〜14 | 6〜10 |
| Lagavulin (標準) | 35 | 10〜14 | 6〜9 (16yo) |
| Port Charlotte (Bruichladdich) | ~40 | 12〜16 | 8〜12 (10yo) |
| Laphroaig (標準) | 40〜43 | 12〜17 | 8〜12 (10yo) |
| 厚岸 (ヘヴィリーピーテッド) | 50〜55 | 15〜20 | 8〜15 |
| Ardbeg (標準) | ~55 | 15〜22 | 10〜15 (10yo) |
| Octomore (Bruichladdich) | 100〜309 | 30〜90 | 20〜60 (5yo) |
二つのことが目立ちます。第一に、Islay の麦芽側レンジは膨大で、Bunnahabhain の 1 ppm から Octomore の 300 超まで、100 倍以上の広がりです。第二に、瓶側は圧縮されます。飲み手のフェノールレンジはおよそ 10〜60 ppm、6 倍程度に収まり、その両端 (Bowmore 5〜8 と Octomore 20〜60) は同じ Bruichladdich ファミリーで、麦芽仕様と熟成年数の設計が根本的に違うだけです。圧縮が起きるのは、残存損失が各段階で比例的に効くからで、掛け算のチェーンは極端値を平坦化していきます。
Octomore について一つ正直に書いておきたい点があります。Bruichladdich は麦芽側 ppm をラベルに堂々と印刷することで有名で、「数字が正面に書かれたウイスキー」というスタイルを実質発明しました。この設計を選び続けているのが、私が別記事で書いた Adam Hannett の Bruichladdich と、その前任者たちです。ただし「正面」の数字は麦芽仕様であって、液体の約束ではありません。5 年熟成の 300 ppm Octomore は、同年代の他 Islay より確かにフェノリック濃度が高い。しかし グラスの中で Lagavulin 16 より一桁多くフェノリックなわけではありません。これは Bruichladdich の落ち度ではなく、retention chain の乗算的性質の自然な帰結です — 掛け算されるパーセンテージは、極端値ですら平坦にしていきます。
日本側についても補足しておきます。厚岸は北海道の maritime 環境と道内ピート、そして 戸田恵一の Islay-in-Hokkaido 設計 で 50 ppm 級の heavily peated バッチを出しています。麦芽側では Ardbeg に肉薄しますが、若い熟成 (現時点で 5〜8 年主体) では瓶側もそこそこ高めに落ち着きます。逆に白州は 宮本大路の森のライトピート思想 で 5 ppm 程度に抑えており、瓶では 3 ppm 未満、いわゆる「うっすらスモーキー」の領域です。
なぜ ppm ≠ smokiness
仮に retention chain の算術が完全に分かっていたとしても、麦芽 ppm は口に感じるスモーキーさを予測できません。理由が三つあります。
どのフェノール化合物が支配的か。フェノール成分の 60 % が guaiacol の麦芽は「木煙とクローブ」に読める。60 % が cresol の麦芽は「タールと灰皿」に読める。両方とも合計 40 ppm でありうる。感覚経験は 1 マイル違います。Islay のピートは Highland のピートに比べて guaiacol 比率が高く、これは湿地帯の植生組成の違いによります — Frances Jack のピート産地研究をひと文で言うとこうなります。
フェノール質量のうち、鼻に届く量と舌に留まる量の比。揮発性フェノール (特に guaiacol) は嚥下後にレトロネーザル経路で嗅上皮に届き、知覚上のスモーキーさを支配します。重い、揮発性の低いフェノール (syringol、xylenol) は液中に溶けたままで、嗅覚 よりも 味覚 として登録されます。合計フェノール量が同じ 2 つの蒸留液でも、揮発性分布が違えば嗅ぎ方が違います。
それ以外の全部。甘さ (残糖、エステルプロファイル) はスモーキーさをマスクします。高アルコール度数 (cask strength vs 40 %) は揮発性フェノールの鼻への転送を持ち上げます。年数はフェノール濃度も甘さも減らしますが、その比率は同じではありません。これが、Lagavulin 16 が Lagavulin new-make と全く違う味に感じられる理由です — フェノール質量は例えば半分に減っただけかもしれないのに。
その結果、麦芽側 ppm は有用な エンジニアリング 数値であり、そこそこの テイスティング 数値です。蒸留家に「どんな原料を買ったか」を伝える。飲み手にも何かを伝える、が、飲み手が思うより少ない情報しか伝えていない。あなたが手に持つ瓶は、スティルと cut と樽と年月の算術が、その出発数値に施された結果です。出発数値は、多くの入力のうちの一つに過ぎません。
これを実感するには、John Campbell 時代の Laphroaig 10 の cut point 設計 と Iain McArthur の Lagavulin 16 mash floor 判断 を並べて飲むのがいいでしょう。麦芽 ppm は前者 40、後者 35 と近いのに、瓶ではまったく別のフェノールプロファイルに着地しています。cut と熟成の差が算術の結果として舌に出ます。
Frances Jack が今取り組んでいること
この業界を成立させた湿式 HPLC 法は、SWRI の研究パイプラインの中で今、部分的に置き換えられつつあります。Frances Jack と同僚たちは、非破壊代替法として 近赤外ハイパースペクトルイメージング の論文を発表しています — 麦芽に光を当て、複数波長の反射率を捕捉し、訓練済みモデルでフェノール含量を予測する。クロマトグラフィにサンプルを流す必要がありません。
エンジニアリング上の魅力は明らかです。HPLC は遅く (サンプルあたり 1 時間、前処理含めて)、破壊的で (麦芽をメタノールに抽出して失う)、湿式ラボが必要です。ハイパースペクトルは速く (数秒)、非破壊で、原理的には麦芽業者のコンベア上で回せます。校正が成り立てば、麦芽仕様をリアルタイムで判定でき、麦芽業者はキルンパラメータをその場で調整できます。
Jack の論文が正直に書いているトレードオフは、ハイパースペクトルは 合計 フェノール予測を返すが、種分別 (どの成分が guaiacol か cresol か phenol か) は返さない、という点です。契約上の ppm 遵守にはこれで十分。しかし「なぜある 40 ppm 麦芽が別の 40 ppm 麦芽と違う味なのか」を理解するには、まだクロマトグラフが必要です。
これは分析化学のよくあるパターンです — 遵守のための速いバルクメソッドと、理解のための遅い種分別メソッド。両方が同じラボに同居し、Jack の仕事はバルクメソッドを業界に届けつつ、種分別メソッドを本当に大事な風味の問いのために手元に残す方向で進んでいます。
数字は麦芽であり、瓶はその後の算術
最後に、あの東京の Ardbeg 10 の箱と、私が読み違えた 55 に戻りたい。今わかっているのは、あの数字は麦芽業者から蒸留家への私信で、マーケティング上の便利さで箱に印刷されていて、私は他人の郵便物を読んでいたということです。ラベルは嘘を言っていない。ラベルは、聞き方を知っていれば、こう言っています — Ardbeg は麦芽を標準的な Islay ピーティング範囲の最も重い端に仕様設定していて、麦芽業者は共通メソッドでそれを確認し、エディンバラの Frances Jack のラボが背後で全員が同じものを測っていることを担保している、と。
私のグラスにあるのは、スティルと cut と 12 年ほどのオークがその出発数値に施した結果です。箱の数字の、およそ 4 分の 1 です。残りは draff と pot ale と銅と天使に持っていかれました。それでいい。数字は原料であり、瓶は Islay の算術がその数字に施し終わった後の残りものです。
出典: Frances Jack の公開研究プロフィールは、エディンバラの Scotch Whisky Research Institute (Research Avenue North, EH14 4AP) にあります。ピート産地研究については Whisky Magazine の The Peat Provenance Mystery を参照。麦芽→スピリッツのフェノール残存推定は、Whisky Magazine 掲載の Ian Wisniewski Phenolic fancies (2010) と Scotchwhisky.com の The truth about peated whisky and phenols の業界共通見解に沿っています。Islay と日本の比較表の残存推定値は、公表麦芽仕様と一般的なマッシュ / 発酵 / 蒸留 / 熟成の損失レンジから計算した目安であり、実際の蒸留所別瓶フェノール含有量はプロセス詳細により変動します。
同じ測定規律が単一蒸留所のピートプログラムでどう展開するかは、Duncan McGillivray の Bruichladdich Victorian machinery と Jim McEwan の Octomore 立ち上げ を、ピート産地と植生の側面は John Campbell の Laphroaig maritime peat と Eddie MacAffer の Bowmore floor malting を、日本側からの応答は 厚岸の戸田恵一 と 白州 12 の宮本大路 の記事をどうぞ。同一麦芽仕様でも cut と熟成で瓶が全く別物になる例は、Laphroaig 10 の cut point 設計 と Lagavulin 16 の Iain McArthur を並べてみてください。